俺様でドSな鬼畜課長に捕まります。

その笑顔に見蕩れている自分に気付き、
本気で自分を軽蔑してしまった。

──馬鹿じゃないの?私はずっと1人でいいの。

ぼーっと見蕩れていた顔を俯け、
薄く寂しそうに微笑んだ私を課長は何も言わずに見ていた。

それに気付いた私は作り笑顔を貼り付けてへらっと笑った。


「…具合はどうだ?」


さっきのことに付いては何も言わずに課長が聞く。


「多分、もう大丈夫だと思います。」


「まぁ、もう少し寝てろ。」


「あ、はい。わかりました。本当にすみません。」


「いい。昨日、無理矢理誘ったのは俺だ。」


「そうですけど…すいません。」


「もういい、早く寝ろ。」


「はい。ありがとうございます。」


課長がまた少し微笑んで私の頭を撫でて、
お盆を持って部屋を出ていく。

──カチャッ…バタン

撫でたりするの、やめて欲しい。

布団を頭からかぶり、固く目を閉じる。


──絶対、好きにならないように…しないと。
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