何度でも



20分後………。


______ピンポーン♪


志乃田宅に到着した。

ここに来るのは2回目…………か。

「はい。……………あ、あなたは!!」


「?…………あ!あのときの!!」

美紀子さんを訪ねに来たときに出てきたメイドさんだった。

「四ノ宮様!」

「お久しぶりですね!あの日以来ですね」

知ってる人に会うと、何だか嬉しいな♪

「今日はどうなされたのですか?」

「あ、そうだった!颯真いますか?」

「あ!颯真様、四ノ宮様のこと思い出されたのですか!?」

「残念ながら思い出してはいません…………。ですが今は恋人として再び関係を気づいていってます」

ほんと不思議よね…………。もう付き合わないと思ってたのに、今こうして付き合ってるのとか。


「…………嬉しいです。颯真様をどうかよろしくお願い致します!」

「えっ、あ……………こちらこそ……」

「あ、案内するの忘れてましたね(笑)こちらです。どうぞ」

案内されるがままに中へ入っていく。

外見通り中も広く、高級そうな家具がたくさん置かれていた。


「こっちです」

「あ、はい」

見失ったら迷子になりそうだ…………………。

「この奥の部屋が颯真様のお部屋になります」

「ありがとうございます」

2階の奥に進んだ部屋に、颯真の部屋はあった。


木のドアで、模様がとても上品だ。


_____コンコンコン。

「どなたですか?」

「四ノ宮です」

「どうぞ」

____ガチャ。

「久しぶりだな」

「1週間しか離れてないけどね」

颯真はソファーに座って本を読んでいた。

黒が好きなのだろうか?

部屋の家具はほとんど黒で、モノクロに仕上がっており、とても落ち着いた部屋になっていた。

まぁ………………颯真らしいんだけど。

「急に呼ばないでよね」

「どうせ暇だろ?」

まぁ……………間違ってはいないけど。

「志乃田くんって本好きだったけ?」

「ん?あぁ………これか。この小説家が好きでさ、面白いんだよ」

「あ、これ私も好き。全ての作品がいいよね」


秋田川賞を受賞した川辺水尾(かわべ みずお)さんの作品は全てが素晴らしく、よく読んでいた本だ。


まさか、颯真もこれが好きとは思っていなかった…………。


「読むか?」

「うん」

本棚にはたくさんの本が置いてあり、ところどころに経営に関する本なども置いてあった。

「志乃田くんはさ、将来お父さんの会社を継ぐの?」

「まぁな。俺以外に跡取りいねぇし、そうしねぇと次の代がいなくて会社は困るし」

だから、こんなに頑張っているのか…………。

「お前は進路どうすんの?まだ先のことだけど」

「んー………経営に興味があるから、そうゆう系に就きたいな」

まだ具体的には決まってないけど。

「まぁ、もし決まんなかったら俺が雇ってやるよ(笑)」

「それは遠慮しときます」

「つれねぇな(笑)」

あ、そういえばお父さんに聞くの忘れてた!

今度また聞いとこう…………気になるし。


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