春になったら君に会いたい
目覚めてから2日後、正晴がまた病室に来ていた。
前々から思っていたが、ちょっと来すぎである。学校もバイトもあるのに、そんなに頻繁に来ていたら疲れるだろう。
しかも、俺が眠っている冬の間も、そのくらいの頻度で来てくれているという。嬉しいが心配になる。でも、それを言うと怒るだろうから本人には言わない。
「体はどう? まだだるい?」
そう優しい口調で尋ねてくる。俺が首を横に振ると、ほっとしたように微笑んだ。来すぎなことには違いないが、こうして気にかけてくれるのは単純に有難い。
「正晴は学校休みなんだっけ?」
「そう、今日からしばらくは休み」
背負っていたリュックを置きながら、正晴が答えた。入試の都合だかで一週間ほど休みになるらしい。確かに去年もそんなことを言っていた覚えがある。