素直じゃないね
「莉里はさ、なんであいつと付き合ったの」
立っているのが疲れたのか、適当に近くにあった椅子を引っ張ってきてそれに座る永瀬くん。
窓から両腕を放り出してその上に顔を乗せている。
その視線はあいかわらずテニスコートに夢中で。
わたしはといえば、丸まった細い背中をぼんやりと隣に立ったまま眺めていた。
「莉里?」
「え、あ、うん。付き合った理由は……」
理由なんて、今ではもうはっきりと思い出せない。
いろんなものが重なり合った結果、わたしは付き合うことに頷いたんだ。