HEROに花束を(完)

「だからっ、悠じゃないとだめなんだ。悠しかいない。悠しか見えない。悠がすごく、すごく、心の底から好きだからっ!」


そう言って顔を上げれば、涙を流した千秋ちゃんの顔が見えた。


「ご、ごめん!本当に、わたし、バカみたい…ごめんっ。」

「ち、がう…穂花が、すごくかっこよくて…っ、自分何してるんだろって思ってっ、ごめんね、なんか、わたし、すごく穂花に感動しちゃって…。」

「えっ…?」

「穂花はすごいっ。自分の意見ちゃんと持ってて、しっかりしてて、周りに絶対に流されないっ。本当に、わたし、穂花のこと尊敬してるの!」


そう言われて、胸の奥から温かい何かが流れ出してきた。

尊敬してる…流されないっ…。


わたし、ずっと自分は流れに乗れない、小さな小石だと思ってた。

何もできない、ただ、周りから置いて行かれることしかできないただの小石。

金魚や魚は小石を見てはあざ笑って、小石の一番の家族や友達も、周りの流れに乗って流れてゆく。

ただ、小石だけ何もできない。

わたしは、そんな人だと思っていた。
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