鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


24年生きてきて、人を好きになったことは何度かある。

でも、陰ながら、遠くから想うことしか出来なかった。

自分から告白する勇気は持ち合わせていない。

ちんちくりんな私がモテるワケはなくて、告白されたこともない。

そんな私は男の人と付き合ったことは一度もない。

つまり、イコール処女ってことで…。

心から好きな人と、いつかそうなれたらいいなって思うけど…って、なにを想像してるんだ、私!

チラッと課長を見ると、ニヤリと笑ってる。

なんか黒いオーラ漂ってませんか?

「真宮」

「はい」

「真宮を必ず手に入れる。覚悟しとけ」

さらっとすごい言葉が耳に聞こえてくる。

「言っとくけど、自分から告白したのは初めてだ。こんなに一途に想ったのも、真宮だけだ」

私と違って、課長はモテにモテまくるだろうし、恋愛経験だって豊富なはず。

過去の相手の人って、仕事の出来る美人さんだったのかな?

それとも守ってあげたくなるような可愛い人だったのかな?

私ってどちらにも当てはまらないよね…。

過去なんて今さらどうにもならないのに、なぜかチクチク胸が痛いのは、気のせいかな?

「真宮」

「はい」

「真宮のこと、大事にする」

「!?」

大事にするって!?

もう、私の心臓壊れそうなんだけど…。

課長の真剣な眼差しから、想いが伝わってくる。

その一言で、さっきから感じている胸のモヤモヤがすーっと消えていくような気がする。

恥ずかしいけど、目を逸らすことは出来ない。

すっかり課長に捕らえられてしまった。

私はコクコクと頷いた。





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