鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
もしかして加治田もそのひとりなのか?
「冴木、広報部の加治田、どう思う?」
「加治田って、加治田専務の息子ですよね?仕事は出来るみたいですし、悪い噂は聞いたことないですけど?」
「そうか」
「ワケありですか?」
「ウチに異動してくることが決まった」
さすがに真宮には話せなかった。
怖い思いをした時の相手と一緒に働かないといけないと知ったら、どうするだろうか。
俺は真宮のために出来ること全て、やってやりたいと思った。
「へぇ~、専務直々の依頼ですか?」
「あぁ、仕事は出来るが、酒癖が悪くてチャラいから、営業1課で鍛えろってことらしい。冴木と一緒だな」
「勘弁してくださいよ~。俺は酒癖悪くないです。それより、真宮さんとなにか関係があるんですか?」
さすが冴木、鋭いな。
「同期会で真宮に過度なスキンシップをしたらしい」
「ゲッ、困りましたね。一度話し合いの場を設けてみてはどうですか?俺も同席しますよ」
そう言っている冴木はニヤリと不敵な笑みを浮かべ、面白がっているようだ。
「課長!それよりどうなったか詳しく教えてくださいよ~」
「煩いっ!仕事しろっ!」
誰が教えるものか。
ちょうど会議が始まる時刻になり、慌てて準備した。
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