鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


「今日は俺の奢りだ。おめでとう」

低音ボイスでおめでとうと言っている課長を見て、私は必死で笑うのを堪えた。

気持ちがこもっていないような言い方だったけど、気心知れた秘書室長が相手だからなのだろう。

そんな課長のことが、なんだか愛しく想えた。

「園子、おめでとう!」

「ありがとう。じゃあ、また来週ね。あぁ~、週明けの月曜日が怖いな~。今日の仕事終わりに上司に報告したり、諸々の手続きしたから、私たちのこと広まってるよ」

憂鬱そうな表情の園子の肩を秘書室長はがっちり掴んだ。

「今更なに言ってんだよ。覚悟決めろよ。じゃあ、堂林、真宮さん、今日はありがとう」

爽やかな笑顔で秘書室長と園子は個室から出ていった。

堅物という秘書室長のイメージはすっかり崩れていた。

園子の前では甘々な雰囲気全開だった。

ふたり並ぶと美男美女でとてもお似合いの夫婦。

本当に素敵。

園子が幸せそうで本当に良かった。

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