鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
なるほど。
どおりで静かなはずだよ。
まぁ、たまにはこんな穏やかな朝もいいかも。
デスクに積まれた未処理の書類を手にしようとした時、肘が当たってファイルが数冊、バサバサッと床に雪崩落ちた。
えぇ~!!
朝からショック~!!
コンタクトといい、今日は厄日?
心の中でひとつ溜め息をついて、散らばったファイルを拾い始めた。
最後の一冊を拾おうと手を伸ばした時、男の人の手が視界に映った。
大きくて。
手の甲にうっすら血管が浮き出ていて。
骨張っていて。
私は手フェチっていうワケじゃないけど、一瞬見惚れてしまった。
見上げると、至近距離にいたのは私の上司で…。
「課長!?」
思わず尻餅をつきそうになるほど、驚いてしまった。