桜樺 -ouka-
仕事を早めに切り上げ、約束の門の前へと急ぐと、芹沢さんはもうそこに居た。
『遅くなって申し訳ありません!』
「大丈夫じゃよ。それよりご苦労じゃったのぅ」
『それで御用とは?』
「ちょいと買い物につきおうてもらえんかのぅ」
『はい?』
聞けば、近々お梅さんの誕生日があるらしい。
それで贈り物を…と。
「女物はよぉわからんのじゃ。お主ならわかるんじゃないかと!」
『かしこまりました』