心の鎮痛剤を下さい-夜間生涯学習の先生-(実話)
「メール?」

「うん、うちの学生だ」


直感が働いた


「もしかして、廊下で喋ってた綺麗な子?」

お願い
“違うよ”って言って
“男からだよ”と言って


「よくわかったね、そうだよ。早く進路調査票出せってメールしたから」


そうなんだ…


先生は学生にもメール教えてるんだ
私だけじゃなかったんだね。

私だけが勝手に思い上がってた

先生のメールは特別じゃないんだね。


少し寂しくなった


いったい何人の学生が先生のメアドを知ってるんだろう
見えない相手に嫉妬した。


今、先生はここにいるのに

すごく遠くに感じる。
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