社会更生ディスカッション
藤崎に言いたいことは山ほどあったはずなのに、
俺は一言も言うことが出来なかった。
クッソ……。
人のこと言ってる場合じゃねぇってか。
余裕がある。
それは自分にも見えないほどの心の奥底にしまわれた余裕。
VIPルームに泊まって、いつもと変わった食事。
テレビにベッド、何もかもが揃えられた部屋。
そこで一日過ごしたことによって、
俺の中に僅かな余裕が生まれてしまった。
わずかな余裕は一瞬の隙を作る。
生死をかけた争いに隙を見せることは死を意味する。
マズい。
立て直さなくては……。
俺はぎゅっと手を握りしめながらこの部屋を出た。
そしてとぼとぼと自分の部屋に向かう。
藤崎と話していたせいか、
部屋に入らなくてはいけない時間のリミットは迫っていた。
そして自分の部屋まで来た時。