社会更生ディスカッション
「あの日に貸し借りは0になったはずだけど?」
「えっと……じゃあ今日ので貸しにしといてくれよ」
「お願い、朱莉ちゃん」
千春も手を合わせて頼みこむと彼女はため息をつきながら言った。
「全く、なんで私なのかしら。本当に貸し1だからね」
しぶしぶ了承してくれた朱莉は部屋のテレビの電源を消すと、中から出てきた。
これで協力者がふたり。
俺と千春と朱莉が揃ったところで俺は言った。
「あのさ、実はもうひとり呼びたくて……」
「いいけど、誰?」
「んーっと会って説明するほうが早い気がする」
もう一人、部屋番号を聞いた人物は協力を断られる可能性がある。
いや、断られる可能性の方が断然強い気もするけど……。
行ってみる価値はある。
俺は教えられたとおり、部屋番号【32】と書かれた場所まで向かった。