裏生徒会部+
家庭科部に着くとエプロン姿の姫路くんが出迎えてくれた。
室内は他の部員の人達が数人に分かれて料理をしていたり、裁縫をしていたりとまばらだ。
「如月いつきです。お時間を頂き感謝致します。よろしくお願いします」
「姫路 龍司(ヒメジ リュウジ)だよ。こちらこそよろしくね」
早速、姫路くんは和食の料理がたくさん載っているレシピをいつきくんに見せた。
その中からいつきくんが作りたい料理を実際に作りながら教えてくれるようだ。
私は邪魔にならないように見学。
手伝いたいのは山々なのだが、手伝いが逆に邪魔になってしまうことを自覚しているからだ。
料理を開始した2人の手際は凄く良く、あっという間に料理が完成していく。
「姫ちゃーん。ここが上手く縫えないんだけど、ちょっといいかな?」
「行かれて構いませんよ。あとは仕上げだけですので」
「うん。じゃ、ちょっと抜けるね。材料とかは好きに使っていいから。何かあったら気軽に声掛けてね」
姫路くんが抜けた後も、レシピを見ながら黙々と料理を作るいつきくん。
その姿を見つめていると、視線に気づいたのか顔を上げた。
「浅井さん、よろしければ試食して頂けませんか?」
「うん。私でよければ」
完成した料理を一口ずつ口の中へと入れていく。
どの料理も自然と笑みがこぼれてしまう程、美味しすぎる。