裏生徒会部+
部室のドアを開けた瞬間、腕を引かれ中に入れられた。
ドアから顔を覗かせ、廊下を左右確認するとピシャリとドアを閉める一くん。
「よし。いつきはいねーみたいだな」
「一体どういうことなの?」
「しゅーやと柚希にはさっき話したが…」
2月1日は一くんの誕生日。
その11日後の2月12日はいつきくん、そして凪さんの誕生日だそうだ。
こんな場面で謎多き凪さんのことが1つ判明するとは…。
一くんはいつきくんと凪さんにサプライズでお祝いをしたい、と。
それを私達に手伝って欲しいという依頼らしい。
だからいつきくんと一緒に来ちゃ駄目だったわけか。
「つーわけで、協力してくれるか?」
「もちろんいいけど、具体的にはどうすればいいの?」
「まず、サプライズをする日は1月31日だ」
あれ。
当たり前のように誕生日当日にサプライズのお祝いをするものだと思っていたけど違うようだ。
「え?いっき先輩と凪さんのお誕生日は2月12日なんですよね?」
「そうだぞ」
「だったら普通、2月12日にしますよね。バカなんですか一さん」
「チッチッチ…バカなのは柚希!お前のほうだ!」
「一さんにバカなんて言われたら立ち直れないレベルなんですけど」
柚希ちゃんは相変わらず、なぜだか一くんのことを嫌っている。