ナンパ霊
とある兄弟の体験談
深夜、仕事が終わり、アパートに帰ると、この前死んだはずの、二歳下の弟が部屋にいた。


ベッドに寝転がって、うまい棒を食べていた。

おれは目を丸くした。



「ちーす、兄ちゃんお帰り」
「え?ちょっ、何これ?え?もしかして、おまえ幽霊?」
「うん」
「うわ、まじで?」
「うんマジ」
「うわうわうわうわ、初めて見たわ。ちょっと触らせて触らせて」


おれは弟の体に、触ってみた。予想通りに手がすりぬけた。透け透けだ!スケスケ!


「うおおおっ、スケスケ!」
「ちょっと兄ちゃんくすぐったいよ!」
「ああ、悪い悪い」


おれは弟から離れた。

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