ティールームの不思議な出来事
 我に返った。

 目の前にはいつものイチョウの木。

 その根元には1人の子供。

 また、あの夢だろうか?

 え?あの夢?

 いつもなら、そんなことは思わないのにどうしたんだろう。

「やっと、会えたね」

 こちらを振り返った男の子がそう言った。

「直人くん」

 この子の名前を思い出した。

 この場所が何処かも。

 小学生の頃、彼とよく遊んだ公園にあった木だ。

 ここで最後に会ったあの日のことも思い出した。

「僕、今日でお別れなんだ」

 父親の転勤で引っ越すことになり、最後のお別れをした場所がこのイチョウの木の下だった。

「あの日の約束、もうすぐだね。覚えている?」

「うん」

 あの日の約束。

『10年後の今日、またここで会おうよ。約束だからね』

 指切りをした小さな手。

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