ツンデレ彼氏 《*番外編追加》




そんなこんなで着いたのは屋上、


ではなく屋上のドアの前



…青春を邪魔する先生によって、立ち入り禁止の屋上。入ってみたい。そして味わいたい青春。


なんだよ青春、機嫌の悪い彼氏が目の前にいることなんざ青春じゃねえよ





「なに?」


朝からわけのわからない蒼に、できるだけ優しく聞いてあげた

なのに、

「…チッ」

はい、舌打ちしましたコノヤロウ

舌切れちまえ





「用ないなら教室行かせてくんない?」



私基本登校ギリギリにくるから、時間ないんだけど。もうすぐチャイムなるんだけど。


それでも黙る蒼に、私もイライラが募る

「…あのさあ、!!」


バン!っと、壁にもたれていた私の顔の横に勢いよく手をついた


…これが、女子が好きな人にされたいことランクインの壁ドンか


全然胸きゅんなんてしねーよ
目の前眉潜めたイケメンだよ
顔無駄に整ってるから睨まれて怖いんだよ

つーか壁ドン普通に心臓に悪いわ
ドンじゃなくてバンだぞ


てかこれ壁ドンじゃなくて壁バンか








キーンコーンカーンコーン




「あ、」


チャイム鳴った………。


「おいこらチャイム鳴ったじゃねーか」

いつまで壁バンしてんだよ


「……」

「…蒼?、っん!!」


なぜか急に切なそうな顔になった蒼に声をかけると、急に降ってきたキス


いつもみたいな、優しいキスじゃなくて、
焦ったような、そんなキス



…私なんかした?


なんか蒼を不安にさせるようなことしたかな





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