神様の隣で、君が笑った。
 

「アンタに関係ないだろ? 優等生も大変だな。美術室の掃除なんかやらされて……俺だったら、そんなの美術部の奴らにやらせるけどな」


言いながら、興味を失くしたように朝陽の隣を通り過ぎる陸斗くんを、朝陽は視線だけで追い掛けた。

やっぱり、二人は気が合わないのかもしれない。

お互いに第一印象が最悪だから……仲良くなるなんて、無理なのかも。

陸斗くんの良さを朝陽にもわかってほしいと思ったけれど、そんなの夢のまた夢なのかもしれない。


「別に優等生でいることが、大変だなんて思ったことはない。俺には叶えたいことがあるから。だから、そのためならなんだってやれるだけだ」


……朝陽?

そのとき、唐突にそんなことを言った朝陽が足を前へと踏み出して、陸斗くんの隣に並んだ。

振り返ってこちらを見た陸斗くんは怪訝そうに眉根を寄せながら、朝陽のことを窺っている。

 
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