神様の隣で、君が笑った。
 


「まぁ、俺の勘違いかもしれないけどな」


言ってから陸斗くんが空を見上げる。


「ただ、あの人と、少し似てるなと思った」

「あの人って……?」

「…………」


私の問いに、陸斗くんは答えてくれない。

彼の視線の先には、空を悠々と泳ぐ鳶がいる。

雲一つない青空とは裏腹に、私の心は曇ったままで……。

残念ながら晴れる兆しは、見られなかった。


 
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