神様の隣で、君が笑った。
 


「朝陽……っ」


ひとり、またひとり。

各々に立ち上がり、それは次第に数え切れないほどの賞賛に変わる。

気が付くと会場にいるほぼ全員の人が立ち上がり、壇上に立つ朝陽とメンバーたちと向き合っていた。

先ほどの、リュージくんたちのプレゼンが終わったあとの比ではない。


「──ご清聴、ありがとうございました!」


涙に濡れた声が、会場内に響き渡った。

私は再び頭を下げた朝陽を前に、ようやく我に返ると、胸の前で力いっぱい手のひらを握り締めた。

──窓の外を見ると、澄み渡るような青空が広がっている。

その青の中を並んで泳ぐように、真っ直ぐな飛行機雲が二本、綺麗な線を描いていた。



 
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