神様の隣で、君が笑った。
 



「それで、しばらく帰りは一緒に帰れなくなりそうなんだ」


金曜日の朝。

今日も最寄り駅で電車を降りて、学校までの道のりを朝陽と並んで歩いていた私は、太陽の眩しさに目を細めた。

いつもさりげなく車道側に立ってくれる朝陽は今、申し訳なさそうに私のことを伺っている。

なんでも今日の放課後からしばらくの間、特進科の授業のグループワークのせいで帰りが遅くなるらしい。

だから私とは一緒に帰れないのだと、たった今、告げられたのだ。


「ごめんな。今回のグループワークは、どうしても成功させたくて……。最後のプレゼンテーションが終われば解放されるし、そしたらまた今まで通り、菜乃花と一緒に帰れるから」


朝陽のいる特進科は普通科や商業科よりも、そもそもの授業数が多めに設定されている。

テストの後には成績が廊下に張り出されたり、順位によってクラスが分かれたり……私からすると本当に、未知の世界の話なのだ。

 
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