腹黒王太子の華麗なる策略
これだけ疲れたら、今夜は夢も見ずにぐっすり眠るだろう。

フィオナ達に襲われてすごく怖い想いをしたはずだ。

アンの身体を調べたが、擦り傷と打ち身だけで大した怪我をしていなくて安堵した。

彼女とは身体を重ねていない。

元々そのつもりもなかった。

岩風呂、濡れた彼女、それと……月。

先日、俺が暴走した時と似たような状況。

だが、今回はアンを守りたいという気持ちが優っていた。

理性を失わずにいられたのは、アンの身体の状態が気がかりだったからだと思う。

ディオンに加勢せずに城に戻ったのも、それが一番の理由だ。

まさかフィオナに彼女が襲われるとは思ってもみなくて、彼女の傷を確かめずにはいられなかったんだ。

怪我意外にもババアに変な術をかけられていないか心配で……。
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