【BL】好きになってよ。
***
「楽しかった~!」
「ね!」
公演を出てから、近くのショッピングモールとか色々回った。
特にどこか寄るってことは無かったけど、散歩みたいな感じで気ままに歩けた。
大野さん。最初は高嶺の花みたいな感じで近寄りがたさを感じてたけど、すごく感じのいい人だ。
気づけば太陽は西に傾いている。
「そろそろ帰らないと暗くなっちゃうね
送るよ」
「えっ!?気にしなくていいよ!」
「気にするよ。大野さんみたいに可愛い子が歩いてたら誘拐されちゃう」
「そんなことないって...それに私もう高校生だし。」
「高校生だから危ないんだよ」
僕はそう言って大野さんの手を取った。
「ほら、行こ?
家どっち?」
大野さんはしばらく俯いたあと、「こっち」と呟いて一緒に歩いてくれた。