先輩から逃げる方法を探しています。
次の日。
先輩に会うために、初めて会った場所へと来ていた。
私と同じく先輩が来るのを待っているであろう子猫を撫でた。
放課後になると先輩はこの子猫に餌をあげるために必ずここに来ることを知っている。
「にゃー」
「ねぇ、おまえは先輩はいい人か悪い人か…どっちだと思う?」
よくよく思い返して見ると、先輩が来ると心なしか周りにいた人気が少なくなっていた気がする。
それにたまに妙な視線を感じたこともある。
もしやあれは全て先輩が原因だったのだろうか。
あの後もりりなと香澄から先輩の色々な悪い噂を聞かされた。
…だけど、どうしてもその噂を信じることも信じないこともどちらも出来ない。
私にいつも話かけてくる先輩は気の抜けたような喋り方をして、よくご機嫌そうに笑っている。
からかってきたりはするが、全く怖い印象はない。