日だまりの雨
「メールしようと思ったけど途切れたから」


迷惑だった?



ちょっと不安そうな声で続ける雨音に見えるわけもないのに、



「ううん……。迷惑じゃないよ」




首を振って否定した胸がまた締め付けられて、痛い……。



わたしの勝手で送ったメールなのに、わたしの勝手で途切れさせてしまった。




この満月をわたしに教えてくれる為に、雨音はわたしからメールが返ってくるのを待っていてくれた。




そう思ったら、締め付けられて痛んだ胸が今度は苦しくなっていく。





「ねぇ、日咲?」


「なにっ?」



「声、……元気無い」



電話口で黙り込んだわたしに、雨音の声はずっと変わらず優しかった。






どうして雨音は……、電話越しのこんなに小さな変化にまで気付いてくれるの?




陽光くんの名前に浮かれた自分が恥ずかしくて仕方無い……。




「何でも無いよっ?」



これ以上雨音に心配を掛けるのが嫌で、出来る限りの明るい声で答えてみる。
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