日だまりの雨
驚きと戸惑いの表情が隠せない頭の中で、一番に思い付いたのは、




陽光くんに拒否されたっていう絶望的な展開。




聞くのが怖くて言い淀むわたしに、




「コレ……俺のとこに入ってた……」




能面を貼り付けた雨音くんが、一歩わたしの方へと歩み寄った。




差し出された水色の便箋は、紛れもなくわたしが陽光くん宛に書いたもの。





それをわたしは、槙原って書いた靴箱に入れたつもりが、




雨音くんの方に入れてしまっていたみたい……。





……最悪だ。





「それは……」




正直に話して、返して貰おうとした時だった。




「……陽光宛、だったんでしょ? コレ」



わたしが言うよりも早く、口にした雨音くんに驚いて顔を見上げれば、





彼の能面は、眼鏡の奥で寂しそうに笑っていた。





そりゃ、そうか。




いくら双子だからって、間違えるなんて失礼だもんね……。
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