日だまりの雨
放課後になり、下校していく友達たちを見送った後、




わたしは一人、裏庭に向かっていた。




今まで生きてきた中で一番緊張してるかもしれないっ。




全身がドキドキしてるみたいに、体中が落ち着かない。




……陽光くん、来てくれるかな~。




淡い期待感と、張り裂けそうな不安に揺れまくる胸で裏庭に踏み込めば、




「あっ……」




ずっと見つめ続けてきた顔に、一瞬ドキッとして、




「……えっ」




すぐさま頭の中が冷えていく。




「久保さん」




わたしの想いを込めた手紙を手に、わたしの名前を呼んだのは、




「……雨音くん」




陽光くんでは無く、何故か弟の雨音くんだった……。






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