契約書は婚姻届
「じゃあ、行ってくるね」

「いってらっしゃい」

起き上がれなくてベッドから見送るのはちょっと恥ずかしい。
それでも幸せな朝だった。


少し眠ってお昼前に目を覚まし、明夫に電話を入れる。

「もしもし、お父さん?
今日、おみやげ持って工場に寄ろうと思うんだけどいいかな?」

『工場に?
いや、その、……あのな?』

「なにかあったの?」

久しぶりに話す明夫は歯切れが悪く、悪いことでもあったんじゃないかと不安になる。

『いや、……わかった。
待ってる』

「うん。
お昼過ぎには着くと思う」
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