契約書は婚姻届
「うちは誠実を売りにやっている。
全部、でっち上げだ」

「……そう、だよね」

……きっと、達之助の仕業に決まっている。

自分の相手を拒み、勝手に尚一郎の元へ行った朋香への制裁以外に考えられない。

「なんで連絡してくれなかったの?」

尚一郎に頼めば打つ手はあったはずなのだ。
それに、尚一郎は明夫や工場だって守ると約束してくれた。

「朋香には一度、助けられた。
二度も助けてもらうのは申し訳ない」

「そんな……」

水くさいと思う。
親子なのだ、頼って欲しい。

「それに、これだけ騒ぎになっているのに朋香からなんの連絡もないから、おかしいとは思っていた」

「……いつから」

「もう二週間くらいになる」
< 473 / 541 >

この作品をシェア

pagetop