契約書は婚姻届
……もしかして、尚一郎さんは隠してた?

面会謝絶で世間から隔離し、朋香にこの騒ぎを知られないようにしていたんじゃないだろうか。
ずるずると入院期間を延ばしてたのも、落ち着くの待っていたのでは。

「とにかく、尚一郎さんに連絡してみる」

バッグから携帯を出し尚一郎にかけてみるが繋がらない。
犬飼にかけてみるが、こちらも。

「オシベからは契約打ち切りと融資の即時返済、それに損害賠償の通達が来ている」

「そんなの、嘘……」

いくら達之助がそんなことを決めても、尚一郎が簡単に許してしまうはずがない。

「うちは尚一郎君に見捨てられたんだ」

絶望する明夫に、なんと言っていいのかわからなかった。


家に帰るとテレビをつけた。
ワイドショーはどこも若園製作所の話で持ちきり。
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