契約書は婚姻届
「それに計画はもう、最終段階に入ってる。
茨の道に彼女も道連れにするつもりか」

復讐が成し遂げられれば、日本中を騒がすことになるだろう。
尚一郎自身、バッシングは免れない。

「わかってる。
それに、僕には幸せになることなんて許されない。
……でも。
最後の最後にほんの少しだけ、幸せになることを許してくれないだろうか」

「尚一郎……」

復讐なんかやめればいい、出掛かった言葉を飲み込んだ。
この復讐は尚一郎のためだけじゃない、皆が望み、待っていることだ。


朋香と結婚した尚一郎は本当に幸せそうだった。
万理奈と過ごしていたときよりもさらにずっと。
あの尚恭も尚一郎に重荷を背負わせてしまったことには後ろめたさがあったようで、影ながら喜んでいた。

けれど結局。


その知らせは尚一郎が帰国したタイミングで入ってきた。
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