君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
いたずらに速度を出すのとは違った、安定した運転、しかし緩急が強く、私は揺れる車内でシートにしがみついていた。
すると、白い虎は、しばらく車を追いかけて来ていたが、幹線道路に出る頃には、視界から消えた。
「振り切った……の?」
後部座席から後ろを見ていた私はつぶやいた。
でも、あんな白い虎が、ご近所をうろうろしてたら、皆びっくりするんじゃあ、と、思っていたら、自称弟氏がそんな私を見透かしたように言った。
「あ、あの白い虎ね、一般人には見えないから」
一般人? 私だって一般人じゃないか、でも、私には見えていた。いったいこれはどういう事か。
「あ! 鍵!」
私が、思わず大声を出すと、それについても自称弟氏はフォローしてくれた。この人、私の考えている事がわかるんだろうか。それとも私が単純なだけ?
「ご心配無く、すぐに荷物を新居へ運び入れるよう手配済み。もう運びだす人員は待機してたんで、作業を始めているはず。あ、あと、姉さんが手配してあった引越し業者にはキャンセルを入れたから」
何から何までそつの無いこの感じは、確かに母に似ている。本当に、彼は母の息子なのかもしれない。じゃあ、やっぱり、彼は私の弟なの?
「このまま、新居の方に向かいます」
強面氏は、そう言って、幹線道道路から、高速道路に入り、一路、私の転居先である津九音(つくね)市へ向かったのだった。
すると、白い虎は、しばらく車を追いかけて来ていたが、幹線道路に出る頃には、視界から消えた。
「振り切った……の?」
後部座席から後ろを見ていた私はつぶやいた。
でも、あんな白い虎が、ご近所をうろうろしてたら、皆びっくりするんじゃあ、と、思っていたら、自称弟氏がそんな私を見透かしたように言った。
「あ、あの白い虎ね、一般人には見えないから」
一般人? 私だって一般人じゃないか、でも、私には見えていた。いったいこれはどういう事か。
「あ! 鍵!」
私が、思わず大声を出すと、それについても自称弟氏はフォローしてくれた。この人、私の考えている事がわかるんだろうか。それとも私が単純なだけ?
「ご心配無く、すぐに荷物を新居へ運び入れるよう手配済み。もう運びだす人員は待機してたんで、作業を始めているはず。あ、あと、姉さんが手配してあった引越し業者にはキャンセルを入れたから」
何から何までそつの無いこの感じは、確かに母に似ている。本当に、彼は母の息子なのかもしれない。じゃあ、やっぱり、彼は私の弟なの?
「このまま、新居の方に向かいます」
強面氏は、そう言って、幹線道道路から、高速道路に入り、一路、私の転居先である津九音(つくね)市へ向かったのだった。