君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
 バスルームのドアを開けると、目の前にノックをしようとしている征治さんが……いた。

「き」

 あげようとした悲鳴をすんでのところで飲み込んで、私はすぐにドアを閉めた。

「素子さん、すみません、その、覗くとか、そういうつもりではッ」

「あのッ! 着替えを! 取りに行きたいので、しばらくバスルームから離れていただけますか?」

 すぐに征治さんの遠ざかっていく足音がして、私は大急ぎでバスタオル一枚で部屋に逃げ込んだ。

 ……見られた、だろうか。

 私は和室の畳の上にへたりこみ、しばらく呆然とした。
< 37 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop