大剣のエーテル

イヴァンさんが、緊張したように言った。

その言葉に、私はさらりと答える。


「両親はいません。私、一人暮らしなんです。」


「…!そうだったのか、悪い。…そういえば、あんた、歳はいくつだ?」


「16です。」


すると、イヴァンさんは私を見ながら続けた。


「俺と10も離れていたのか。ランバートの2つ下とは思えない。偉いな、あんたは。」


(…!イヴァンさんって、そんなに大人だったんだ。…というよりも、ランバートさんとも随分年の差があるんだな。…ますます不思議な関係性だ。)


「偉い…、だなんて、初めて言われました。」


「そうなのか?すごいことだと思うぞ。」


イヴァンさんとの会話は、胸がいっぱいになる。

人と話すことって、こんなに幸せで泣きそうな気分になることだったんだ。


その時、目の前にぽつん、と建つ一軒家が見えてきた。

一見、お化け屋敷に見えるような二階建て。

イヴァンさんは微かに眉を動かしたが、何も言わずに家の前で立ち止まった。


「…どうぞ。二階に部屋が余っているので、寝室としてお貸しします。」


< 15 / 369 >

この作品をシェア

pagetop