大剣のエーテル
イヴァンさんが、緊張したように言った。
その言葉に、私はさらりと答える。
「両親はいません。私、一人暮らしなんです。」
「…!そうだったのか、悪い。…そういえば、あんた、歳はいくつだ?」
「16です。」
すると、イヴァンさんは私を見ながら続けた。
「俺と10も離れていたのか。ランバートの2つ下とは思えない。偉いな、あんたは。」
(…!イヴァンさんって、そんなに大人だったんだ。…というよりも、ランバートさんとも随分年の差があるんだな。…ますます不思議な関係性だ。)
「偉い…、だなんて、初めて言われました。」
「そうなのか?すごいことだと思うぞ。」
イヴァンさんとの会話は、胸がいっぱいになる。
人と話すことって、こんなに幸せで泣きそうな気分になることだったんだ。
その時、目の前にぽつん、と建つ一軒家が見えてきた。
一見、お化け屋敷に見えるような二階建て。
イヴァンさんは微かに眉を動かしたが、何も言わずに家の前で立ち止まった。
「…どうぞ。二階に部屋が余っているので、寝室としてお貸しします。」