大剣のエーテル

はぁ、とため息をついたイヴァンさんは、戦闘を中断しているランバートに怒りの矛先を向ける。


「おい、ランバート。荷物を放り出して散歩に行くとはいい度胸だな。」


「その節は悪かったよ…!ごめん!」


普段通りの会話を続けようとする彼らに、蚊帳の外にされた大男が痺れを切らして声を上げた。


「なんだ、貴様…!急に現れて俺の戦いに水をさしやがって…!」


するとイヴァンさんは、いま気がついたかのように大男へと視線を移し、さらに眼光を強めて睨みつけた。


「なんだ、このやたら図体のでかい低級魔法使いは。」


(あ)


イヴァンさんの一言に、私は戦慄した。

嫌な予感が的中し、顔を真っ赤にして怒った大男がイヴァンさんに向かって怒鳴り出す。


「この俺様を“低級魔法使い”だと?!舐めるのもいい加減にしろ!俺は“あの”エーテルの団長だぞ!」


「はぁ?」


イヴァンさんは、ちらり、とランバートへ視線を移した。

そして、少しの沈黙の後。

彼は、くっ、と目を細めて大男に声をかけた。


「お前、“本物の団長”どころか、“エーテル”すら見たことねぇだろ?」


「な、何だと…?!」


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