大剣のエーテル
(え…?!)
驚きで言葉を失っていると、満面の笑みを浮かべた少女は、机の前に座って資料を広げているルタさんに、ばっ!と抱きついた。
「せんせー、お仕事終わった?終わった??」
「終わらない。今始めたとこ。…はぁ。何?抱っこ?」
「うんっ!!」
膝の上に乗った少女は、満足げにルタさんを可愛い笑顔で見上げている。
私は、台風のような彼女の恐れ知らずな行動にも驚いたが、呆れつつもちゃんと相手をしてあげているルタさんについ見入った。
「…あの…」
つい、私が声をかけると、ルタさんにくっついていた少女が、ぱっ!とこちらを向いた。
すると彼女は、好奇心いっぱいのキラキラとした瞳で私を見つめる。
「お姉ちゃん、だぁれ?」
「あっ。私はノア。初めまして。」
彼女は、私の言葉ににっこりと笑い返す。
「私はね、フェリシアっていうの!せんせーの恋人っ!」
「えっ!!!!」
つい裏返った声を出すと、反射的に「ちょっと、信じないでよ」とルタさんが私を睨んで続けた。
「この子はただのご近所。前に転んで怪我をしてたのを助けたら懐かれただけ。」