大剣のエーテル

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《イヴァンside》


「あ!見て、イヴァン!すごいよっ、こんなところに四つ葉のクローバーが…」


「黙って幻夢石を探せッ!」


事件現場に着いて早5分。

満足げに「持って帰ってノアちゃんに栞でも作ろうかな…!」と雑草を天に掲げる馬鹿をギロリと睨む。


(ったくコイツは、すぐに目的を忘れるから目が離せねぇ。)


実は器用にかけらも集めている様子のランバートに、俺は眉間にシワを寄せる。

抜けているようで仕事は出来るのが腹が立つ。

俺は慎重深く辺りを見回しながらランバートに声をかけた。


「もう少し確認をしたら診療所に戻るぞ。ノアとルタが2人きりじゃあ葬式のようになってる絵面しか想像つかないからな。」


「んー…確かにそうだね。」


そう呟きながらランバートは、明らかにクローバー探しを続行している。

負の視線を彼に送り、俺は地面にしゃがみ込んだ。

タイルの隙間や家の影にも幻夢石は残っていないようだ。

と、その時。

背後からランバートの声が耳に届く。


「イヴァン、見て!」


「何だ。」


振り向かずに低く唸ると、ランバートはどこか慌てたように早口になる。


「あ、見てないじゃん!ほら、あの角の家!見て、イヴァン!」


俺は、つい眉を寄せてイライラしつつ答えた。


「どうした。今度は五つ葉でも見つけたか?それとも食える野草か?キノコか?」


すると、ランバートはいきなり俺の側頭部を両手で掴んだ。


「いいから、見て!」


「がッ!!」


ぐきん!と無理やり東を向かされた首から痛みが走る。

何しやがる、と怒鳴ろうとした次の瞬間。

俺の視界に飛び込んできたのは、信じられない人物の姿だった。

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