2度目のFirst Love
事情を説明するとうーちゃんは溜息をついた。



「代わりのモデルなんて腐るほどいるだろ」

「代替えで上がったモデルがどれも嫌だったんだからしょうがないじゃあーん」

「え!? 代わりのモデルさんが見つからないからって言ってなかった!?」

「そうだよ? 俺が一緒に仕事したい代わりのモデルが居なかったから、ココちゃんにお願いしたんだよ?」



まんまとやられた。


物は言いようだよね。


きーちゃんの賢さに感心しつつも呆れてしまった。



「モデルなんて出来んの?」

「自信ないけど、もう腹くくるしかないよね……」

「俺がついてんだから問題ないって!」



きーちゃんには悪いけど不安しかない。


相手がうーちゃんなら違ってたかもしれない。



「あんたね、ココちゃんにワガママ言うのいい加減卒業しなさい」

「ワガママなんて言ってないし。 ね?」



きーちゃんはいつもこんな感じ。


これがワガママなのかそうじゃないのかなんてもう分からない。



「一度引き受けた事だから頑張るよ。 足引っ張っちゃうと思うけど……宜しくね」

「ココちゃんなら大丈夫だよ。 絶対上手くやれる」



この根拠のない自信は一体どこからやってくるの?


不思議だけど、何故かきーちゃんは憎めないというかつい甘やかしてしまう。





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