もう一度、恋して下さい!
翌朝

ぎゅうぎゅうの電車を降りて
長く踏まれたままだった足の痛みに耐え


会社を目指す



「おはようございます」






うおぉー間に合った!!!

宮崎さんを見れた!!!

感動して、ガッツポーズ!!



「晄 何やってんだ…」


振り返ると変なものを見る目で固まった
先輩がいた


「先輩!俺は、ついてます!
電車の中では、厄日だって思ったけど
今日の俺は、最高についてます!!」


「よくわかんねえけど
お前、今日は大事な会議あるんだぞ
気合い入れとけよ!」


「もちろんです!
先輩こそ!新商品開発でしょ!?
俺がいなくて、大丈夫ですか!?」


「ばぁーか、大丈夫だっつーの!!」



先輩とじゃれ合いながら、賑やかにオフィスまで来ると


爽やかにおはようなんて
言える空気じゃない



「報告を聞こう」



先輩がキリリと課長の顔になる



「先ほど…製造部の方から連絡があり
楢山さんの企画…作れないって…」


「ええ!!!この前は、出来るって!
俺、ちゃんと確認したんですよ!?
それに…
今日が、本会議で外部の方も来るのに…」


「楢山 製造部に行くぞ」


「はい!!」



先輩と話を聞きに行くと
担当が懸命に他の工場に電話を掛けていた



「どうしてわかった時に連絡くれなかったんですか!?」


「わかったの、今朝です
工場の方にも会議出席して貰うので
企画みてもらったら、無理だって…」


チラリとオフィスの奥を見ると
製造部の部長達が、工場の担当と渋い顔をしていた



先輩とそこに合流する



しばらくすると




「ダメです どこも無理だって…」




電話を掛けていた担当が、情けない声で報告にきた





重苦しい沈黙





先輩がため息を漏らし





予想外な名前を口した


























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