俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「あのね、篠原さんは、私があまりになにもできない初心者だから、親切にしてくれてるだけだよ」

『お前、隙だらけだから。篠原にセクハラされてるんじゃないかと』

「そんなことあるわけないじゃない」

『セクハラ受けて会社辞めたやつがなに言ってんだよ』

「う……」

確かに、前の会社のセクハラ部長も最初は優しくていい人だった。
そこで気を許してしまったのがいけなかったのかもしれない、いつの間にか体の関係を求めてくるようになって、日々過剰なスキンシップに耐え続けるはめになってしまった。

私の警戒心は低すぎるのだろうか。でも、篠原さんが悪い人には見えない。

「前のセクハラ部長はいやらしいオジサンだったけど、篠原さんはそういう人じゃないよ。見た目だって恰好いいし、秘書の女の子たちからはキャーキャー言われているし、私にセクハラする必要なんてないくらいモテモテだったよ」

今日一日秘書課で待機している間、秘書の女の子たちが篠原さんに対して黄色い声を上げているところを何度か目撃した。
残業する私と篠原さんの姿を羨ましそうに眺めながら帰っていく彼女たち。

どうやら彼は、真面目さと顔のよさが相まって、結構モテるクチらしい。
まぁ、それ以上に、大河に対する黄色い悲鳴の方がもっとたくさん聞こえてきたけれど。

よかれと思って言ったことなのに、電話の奥の大河の声が余計に張り詰めた。

『……お前、今、篠原のこと、恰好いいって言ったか?』

「え?」

『俺の前で別の男にほだされるなんて、いい度胸だなオイ』

しまった、余計に勘違いされるようなことを口走ってしまった。
これじゃあ篠原さんが私にセクハラしているというよりも、私が篠原さんにメロメロになっているみたいじゃないか。

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