俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
***
「ただいま……って、ええ!?」
他に行く当てもなく渋々帰ってきた実家で。
昨日とは様変わりした、ものものしい様相のリビングに絶句した。
張り巡らされた紅白幕。食卓に並ぶ豪勢な和食の数々。中央にはお頭つきの鯛、そして、日本酒と盃。
「なにこれ……」
呆然としていると、廊下の奥からバタバタと足音が響いてきて、振り返った私はもう一度目を疑うことになった。
「姉ちゃん、帰ってきた!」
そう叫んだ弟――莉生は、濃紺の着物に足袋を履いて、みっともなく前をはだけさせながら走ってきたのだった。
「なにこれ……どういうこと?」
「なにって、お見合いだよ」
「はぁ!?」
そこへ、床を踏みならす複数の足音が二階で響いて、それらが一列に並び階段をくだってきた。
先頭にいたのは父。
ひょうっと背が高く細身の父は、仰々しい紋付羽織袴姿で体型を三割増ししていて、ぴっちりとした七三分けと銀色の眼鏡だけは昨日と同じだった。
「ちゃんと帰ってきたな。それだけは褒めてやろう」
その言葉にさぁっと背筋が寒くなる。
そういえば、お見合い相手との挨拶が今日だと言っていたのを、すっかり忘れていた……。
そして、父のうしろからついてきたのは、父と同じ年代の、小柄な男性。
頭頂部と生え際が少し寂しい分、父よりも若干年上に見える。父と同じく紋付袴を着ていて、丸っこい体型が余計膨れて見えた。
実際に会うのは初めてだけれど、何度も写真を見せられていたから、すぐにわかった。
彼こそが父と同じ年の友人であり、私の未来の旦那様になる予定だった人、陣内さん。
「ただいま……って、ええ!?」
他に行く当てもなく渋々帰ってきた実家で。
昨日とは様変わりした、ものものしい様相のリビングに絶句した。
張り巡らされた紅白幕。食卓に並ぶ豪勢な和食の数々。中央にはお頭つきの鯛、そして、日本酒と盃。
「なにこれ……」
呆然としていると、廊下の奥からバタバタと足音が響いてきて、振り返った私はもう一度目を疑うことになった。
「姉ちゃん、帰ってきた!」
そう叫んだ弟――莉生は、濃紺の着物に足袋を履いて、みっともなく前をはだけさせながら走ってきたのだった。
「なにこれ……どういうこと?」
「なにって、お見合いだよ」
「はぁ!?」
そこへ、床を踏みならす複数の足音が二階で響いて、それらが一列に並び階段をくだってきた。
先頭にいたのは父。
ひょうっと背が高く細身の父は、仰々しい紋付羽織袴姿で体型を三割増ししていて、ぴっちりとした七三分けと銀色の眼鏡だけは昨日と同じだった。
「ちゃんと帰ってきたな。それだけは褒めてやろう」
その言葉にさぁっと背筋が寒くなる。
そういえば、お見合い相手との挨拶が今日だと言っていたのを、すっかり忘れていた……。
そして、父のうしろからついてきたのは、父と同じ年代の、小柄な男性。
頭頂部と生え際が少し寂しい分、父よりも若干年上に見える。父と同じく紋付袴を着ていて、丸っこい体型が余計膨れて見えた。
実際に会うのは初めてだけれど、何度も写真を見せられていたから、すぐにわかった。
彼こそが父と同じ年の友人であり、私の未来の旦那様になる予定だった人、陣内さん。