俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「彼女はあなたとの約束を守るために、必死に努力して今の地位を築き上げました。逃げることも出来るのに、彼女はいつだって真っ直ぐに戦うことを選ぶ。その誠実さと真面目さは、誰にも負けない彼女の魅力です」

父を見据えていた瞳がゆっくりと母の方へ向き、わずかに表情が柔らかくなった。

「彼女の正義感がお父さん譲りというのなら、明るさと朗らかさはお母さんに似たのでしょう。彼女の笑顔に、俺は何度救われたことか」

母はハッとしたように口に手をあてる。瞳が揺らめき、動揺しているのがわかる。

「俺は小さい頃から彼女と一緒に生きてきました。その優しさも、強さも、弱さも、家族の次に理解しているつもりです。小さかった俺が、周りとの違いに苦しめられていたときも、莉依が笑顔でいてくれたから俺は俺でいられた。出自を妬んで嫌がらせをしてくる輩もいたけれど、彼女がいてくれたから――彼女が俺を肯定してくれたから、俺は自分を強く保つことができたんだ――」

初めて聞く内容に、私は呆然として大河を見上げた。
彼がそんなことを考えていたなんてしらなかったし、周囲との軋轢があったことも、出自に悩み苦しめられていたことも全然気づかなかった。
私はバカみたいに単純に、ただ大河のそばにいたかっただけで――

「俺の人生の大半は、彼女とともに生きてきたものです。俺を形作ったのは、地位でも名誉でもなく、彼女だ。肩書きなんて持っていたところで、足枷にこそなれ、幸せにはなれないんです」

テーブルの下に手を置いた大河は、父や母にはわからないように、そっと私の手を握った。

「こんなにも真っ直ぐ、愛情にあふれ、清らかに育った彼女のことを、どうして他の女性たちと並べるような真似をするんですか。比べるまでもなく、私たちにとって、莉依さんは世界で一番美しい女性であるはずだ」
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