俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
まず連れていかれたのは、ヘアサロン。
それも都心の一等地にある、芸能人が通っていそうなスタイリッシュで高級感溢れるサロンだった。
「社長秘書だぞ? 俺につき添って取引先の重役と顔を合わせたりするんだからな、会社の顔だと自覚しろ。まず、その茶色と黒の混じった頭をどうにかするぞ」
私をカット台に座らせ、その後ろで美容師さんと大河はヘアカタログの冊子を眺め始めた。
当人には相談なしで、勝手にヘアスタイルをあーだこーだと言い合っている。
「秘書だし、色は黒がいいよな」
「いや、私、黒は似合わな――」
「黒でお願いします」
「ちょっ……」
私の希望なんてお構いなしで、大河の指定通りの黒髪に染められていく。
「秘書って茶髪じゃいけないの?」
「いや。そういうわけじゃないけど」
「じゃあなんで黒?」
「俺の好み」
「は?」
髪まで社長様の好みに合わせなくちゃいけないの? 横暴だ。
顔が地味めだから、黒髪よりは茶髪の方が似合っていると自負していたのだけれど。顔の華やかさを髪の明るさで補っているつもりでいた。
けれど、大河は漆黒に染め上げた私の髪を見て、満足そうに頷く。
「似合ってんじゃん」
「自分で言うのもなんだけど、華やかさに欠けるっていうか」
「そのためのメイクだろ。なんのためにメイク道具をプレゼントしたと思ってんだよ」
「私を厚塗りの女にさせたいの?」
「キチンとメイクすることと厚塗りは別ものだろ。……すいません、美容師さん、メイクも一緒にお願いします」
それも都心の一等地にある、芸能人が通っていそうなスタイリッシュで高級感溢れるサロンだった。
「社長秘書だぞ? 俺につき添って取引先の重役と顔を合わせたりするんだからな、会社の顔だと自覚しろ。まず、その茶色と黒の混じった頭をどうにかするぞ」
私をカット台に座らせ、その後ろで美容師さんと大河はヘアカタログの冊子を眺め始めた。
当人には相談なしで、勝手にヘアスタイルをあーだこーだと言い合っている。
「秘書だし、色は黒がいいよな」
「いや、私、黒は似合わな――」
「黒でお願いします」
「ちょっ……」
私の希望なんてお構いなしで、大河の指定通りの黒髪に染められていく。
「秘書って茶髪じゃいけないの?」
「いや。そういうわけじゃないけど」
「じゃあなんで黒?」
「俺の好み」
「は?」
髪まで社長様の好みに合わせなくちゃいけないの? 横暴だ。
顔が地味めだから、黒髪よりは茶髪の方が似合っていると自負していたのだけれど。顔の華やかさを髪の明るさで補っているつもりでいた。
けれど、大河は漆黒に染め上げた私の髪を見て、満足そうに頷く。
「似合ってんじゃん」
「自分で言うのもなんだけど、華やかさに欠けるっていうか」
「そのためのメイクだろ。なんのためにメイク道具をプレゼントしたと思ってんだよ」
「私を厚塗りの女にさせたいの?」
「キチンとメイクすることと厚塗りは別ものだろ。……すいません、美容師さん、メイクも一緒にお願いします」