俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「……待って」

「ん?」

「もう少し……そばにいて」

「は!?」

「お願い、一緒にいて……」

「……なんなんだよ、お前。嫌だっつったり、いいっつったり、わがままだな」

はぁ、と呆れたため息を吐きだして、大河はもう一度ベッドの上へと横たわった。
「ほら」と片腕を伸ばし、視線で合図を送ってきたけれど、私にはうまく伝わらなくてキョトンとしてしまった。

「腕枕」

「えっ……」

「不安なんだろ? 腕、貸してやる」

ふんわりと柔らかくなったその眼差しに、抱きしめられたような錯覚にとらわれて、頬がわっと熱くなった。

大河の優しさと頼もしさに、胸の奥がじぃんと疼いて、波紋が広がるように感情が波立つ。
恥ずかしくて、でも嬉しくて、恐る恐る大河の腕の根元に頭を置いたが、その動きはどことなくぎこちない。

「もっと体重かけていいから」

「大丈夫? 腕、痺れない?」

「お前程度の重さで痺れるわけないだろ」

「う、うん……」

そっと背中に彼の手が回り優しい温もりに包まれて、大河のそばにいられる幸福感がむくむくと沸き上がってくる。

私、愛されてる……かな?

抱かないで、でもそばにいて、そんなわがままを聞いてくれるのは、きっと私のことを大切に思ってくれているからだ。
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