優等生、中川君。
ウィン、と図書館のドアが開く。
図書館独特の古びた匂い。
なんと言うか、あたしはこの匂いが好きだ。
本棚の周りをウロウロする。
いきなり来ても、読みたい本がなかなか無いもので。
ガッ
「…ぅわ!?…」
…ストン。
こける事を予想していたあたしは、思わず目を見開く。
こけて…いない。
代わりに、誰かの片腕に支えられていた。
「……大丈夫?」
ハッとして、その人の腕から離れる。
「あっはい、大丈夫ー…」
見上げると、そこにいたのは眼鏡をしていない、中川君だった。