幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
「玲音っ!こんなところでなにしてるのっ?」

走って玲音のもとに駆け付ける。

「りりちゃん……」

無理に笑顔を作って、寂しそうに私を見上げる玲音。

「玲音、どうしたの⁉」

「別にどうもしないよ」

うそだ。

玲音は辛いことや悲しいことがあっても、
絶対に自分から話そうとはしない。


玲音のとなりに座って玲音を見つめる。

黙ったまま空を見上げた玲音が、ゆっくりと口を開く。

「ホワイトクリスマスだね」


「一緒にテレビ見ながらクリスマスしようと思って、待ってたんだよ」


「ごめんね」


玲音が目を伏せて、悲しそうに謝る。

そんなに寂しそうに謝られたら、怒れなくなっちゃうよ。

白い雪がふわりふわりと降ってくる。

夜の公園はとても静かで、頬に触れる空気が痛いほどに冷たい。
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