幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
「りり花、あの連中、3年のヤバめの先輩たちだよね?」
「ごめん、俺のせい」
「玲音のせいじゃないよ。私がカッとなっちゃったから。
足は、ちょっと油断してた。
あれくらいのことでバランス崩すなんて、
師範に知られたら怒られるね! 」
笑いながら答えたけれど、
玲音の表情は硬くこわばったまま。
「りり花、そんな呑気なこと言って笑ってる場合じゃないだろ。
とりあえず、保健室に行こう」
「大丈夫だよ⁈ 」
「いいから! 歩けないだろ? 」
しゃがんで背中を差し出す玲音におずおずと近づいて、
玲音の背中に体をぴったりと寄せた。
そのまま玲音に背負われて保健室に向かったけれど…
すれ違う人がみんな興味津々といった様子で
私たちに好奇の視線を投げつけてくる。
「玲音……」
「ん?」
「恥ずかしい……」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ?」
玲音はそう言うけど、
やっぱり恥ずかしくてたまらないよ…
保健室の鍵は開いていたけれど保険医の先生はいなかった。
「私、職員室、見てくるっ」
そう言ってちはるちゃんが保健室からバタバタと出ていった。
「湿布、勝手にもらってもいいかな? 」
回転イスに座ると、
玲音が痛めた足を確認するように軽く触れた。
「この場所って前に空手で痛めたところだよな?」
「玲音、すごいっ。よく覚えてるね」
びっくりして目を丸くしていると、
玲音が当たり前のことのように答えた。
「当たり前だろ。
りり花のことならなんでも覚えてるよ。
湿布貼るから、ジッとして!」
ひえっ!!
突然冷えたシップを張り付けられて飛び上がった。
「りり花、動かないで」
真剣な顔をして湿布を張っている玲音を見つめながら、
さっきのことを思い出して心配になってきた。
「あのさ…」
玲音をじっと見つめる。
低い声で先輩達を脅かすようにしていた玲音は
私の知っている玲音とはまるで別人のようだった。
「あ、あのさ…玲音…さっきのって…」
おずおずと玲音に訊ねると、
玲音が言いにくそうに口を開いた。