chocolate mint
……陽介さん、グッジョブ!!
思わず、心の中で盛大にガッツポーズをしてしまっていた。
時間に遅れて来た事といい、もう付き合ってもいないのに嫉妬心を見せた事といい、ヤツの自分勝手な言動に、香織ちゃんはだいぶ怒りを感じているようだった。
このまま香織ちゃんが『もうあなたに愛情はない』と、そうきっぱりと告げる事が出来れば、スムーズに別れ話を切り出す事もできるだろう。
僕の存在が香織ちゃんに気がつかれる事無く、この話は終わる。
そう思った瞬間に、急にヤツは明るい口調になって、何だか意味の分からない事を次々と捲し立て始めた。
「それって……嫉妬?嫉妬してるんだよな。俺の事、まだ好きでいてくれてるんだよな?」
「……なぁ、やり直そう。と言うか、別れてなんかいないんだよ。俺たちは」
…………はぁ?
何言ってるんだ、こいつ。
「俺と結婚してくれる?」
まるで『今晩何食べる?』くらいの気軽な口調でプロポーズまで繰り出す菊井(バカ)に、言い様の無いくらいにモヤモヤとした、不快な気持ちが広がっていく。