先生、ボクを飼ってよ


「言わないよ。言うわけないじゃん。でも失敗したってことは、繭先生、断ったってことだよね? どうして?」



……痛いところを突かれた。



生徒とは恋愛をしないから、なんかで通用すると、なんとなく思わなかった。



「……恋人が、いるの」


「本当に?」



佐伯さんが疑うのも無理ない。


話の流れ、私の声のトーンからして、嘘っぽいと、私自身が思うから。



でも、それは本当のことで、私は写真を見せることにした。



「ホントだ。ていうか、繭先生って恋人の写真とか撮ってたんだね」



……見せた一枚しかないけど。


という言葉は飲み込んだ。



「こんな優男に、瑞貴が勝てるわけないな」


「田辺君……!?」



佐伯さんの手元にあるスマホを、田辺君も見ていた。



椎名君は……!?
< 57 / 116 >

この作品をシェア

pagetop